お気に入りの一文

それが「道」というものなんだろう

「とかげ」吉本ばなな 今日のフレーズ。 「ありとあらゆる特定のジャンルに素人からプロまでいろんな人が心を傾けていて、ありとあらゆる奥深さがあり、高尚な気持ちからすごい下品さまですべてが含まれていて、その気になれば人間は、それにかかりっきりに…

自立とは、結婚とか独り暮らしとか、そういうことではないのだ

「とかげ」吉本ばなな 今日のフレーズ。 「自立とは、結婚とかひとり暮らしとか、そういうことではないのだ。全然違う。結婚して家を出ていて子どもがいても、親の影を背負っている人を大勢見てた。それが悪いということではないけれど、とにかく自立ではな…

心地いい羽根布団、熱のある日のアイスノン、寒い日のシチュー

「とかげ」吉本ばなな 今日のフレーズ。 「あの頃妹は、まるで心地のいい羽根布団や、熱のある日のアイスノン、寒い日のシチューみたいに思えた。私は知らず知らずのうちに、まいっていたのだろう」 ではでは。

中にあるものを外に押し出す

「とかげ」吉本ばなな 今日のフレーズ。 「体を使って外に向かって表現し続けるよりも、中にあるものを外に押し出さないと、渇きは癒されないことがわかったの。今まで私は激しく動くことでやっと自分を保ってきたけれど、別のやり方を捜そうと思って。もう3…

女は小さな分身の小物で家をいっぱいにする

「とかげ」吉本ばなな 今日のフレーズ。 「家の中は敦子の宇宙だ。女は小さな分身の小物で家をいっぱいにする」 デコレのコンコンブルは妻の小さな分身の小物だ。 ではでは。

にこにこという音が出てきそう

「ジュージュー」よしもとばなな 今日のフレーズ。 「にこにこという音が出てきそうな、裏表のない笑みだった」 五感を使って表現するのがひとつのポイントだね。 ではでは。

むささびのようにくりかえしの中にダイナミックな美を見つけて

「ジュージュー」よしもとばなな 今日のフレーズ。 「毎日同じ時間に起きて、林や森に飛んでいって、ごはんを食べて、また巣に帰ってすうすう寝るむささびのように、くりかえしの中にダイナミックな美を見つけて。心だけは、死んだママの声さえも近くに聞こ…

女は巣が大事なんだよ

「ジュージュー」よしもとばなな 今日のフレーズ。 「女は巣が大事なんだよ、ママはここを大事にしてきたんだから。私だって、そうしたいもの」 ではでは。

夕子さんと会うのはくせになる。異次元への旅みたい

「ジュージュー」よしもとばなな 今日のフレーズ。 「夕子さんと会うのはくせになる。異次元への旅みたい」 私の妻が正にそうだ。 かわいいのが大事なんじゃない(妻が可愛くないとは言っていない!)。 会うのが癖になるんだ。 異空間への旅。 一度入ったら…

女の子とうまくやる方法

「東京奇譚集」村上春樹 今日のフレーズ。 「女の子とうまくやる方法は3つしかない。ひとつ、相手の話を黙って聞いてやること、ふたつ、着ている洋服をほめること、みっつ、できるだけおいしいものを食べさせること。簡単でしょ?それだけやってダメなら、…

天秤座なのよ

「東京奇譚集」村上春樹 今日のフレーズ。 「天秤座なのよ。バランスが取れていないものごとにどうしても我慢できない」 未年なのよ。やっぱりニットが好き。 B型なのよ。だからランチはBセット。 ではでは。

真っ昼間に打ち上げられた花火のように

「東京奇譚集」村上春樹 今日のフレーズ。 「でもその大半は僕らの目にとまることなく、そのまま見過ごされてしまいます。まるで真っ昼間に打ち上げられた花火のように、音はするんだけど、空を見上げても何も見えません」 真っ昼間の月も同様か。 ではでは。

モール自体はおぞましい代物です

「東京奇譚集」村上春樹 今日のフレーズ。 「モール自体はおぞましい代物です。もちろん。でもそのカフェは不思議に居心地がいいんです」 欲とムダのかたまり。 ではでは。

伝説の家宝を愛でるみたいに

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 『インドの王冠についていた伝説の家宝を愛でるみたいに、大事そうに手のひらに載せて。「かたちが素敵」と彼女は言った』 ではでは。

傷つくべきときに十分に傷つかなかったんだ

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 「おれは傷つくべきときに十分に傷つかなかったんだ、と木野は認めた。本物の痛みを感じるべきときに、おれは肝心の感覚を押し殺してしまった。痛切なものを引き受けたくなかったから、真実と正面から向き合…

まるで遠くの国からやってきた珍奇な動物の剝製を点検するみたいに

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 「まるで遠くの国からやってきた珍奇な動物のはく製を点検するみたいに」 ではでは。

嘘をつくための特別な独立器官

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 「僕らの人生を高みに押し上げ、谷底に突き落とし、心を戸惑わせ、美しい幻想を見せ、時には死にまで追い込んでいくそのような器官の介入がなければ、僕らの人生はきっとずいぶん素っ気ないものになることだ…

終わりなき回り道

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 「僕らはみんな終わりなく回り道をしているんだよ」 ではでは。

植木鉢の中に収まりきらない強い植物のように

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 「抑えようとしてもうまく抑えきれないものなの」 植木鉢の中に収まりきらない強い植物のように、と僕は思った。 ではでは。

ずいぶん感情の読み取りやすい男

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 「それにしてもずいぶん感情の読み取りやすい男だ」と家福は感心した。両目を真っ直ぐのぞき込んだら、向こう側まで透けて見えてしまいそうだ。 ではでは。

筋金入りの菜食主義者

「女のいない男たち」村上春樹 今日のフレーズ。 「マニュアル・シフトは好きです」と彼女は冷ややかな声で言った。まるで筋金入りの菜食主義者がレタスは食べられるかと質問されたときのように。 ではでは。

友だち

「神の子どもたちはみな踊る」村上春樹 今日のフレーズ。 「僕と君とは友だちでいるべきなんだ。どちらかだけが与え、どちらかだけが与えられるというのは、本当の友だちのあり方ではない。僕は山を下りるよ、まさきちくん。新しい場所でもう一度自分をため…

付加価値によるマーケットの掘り起こし

「神の子どもたちはみな踊る」村上春樹 今日のフレーズ。 「蜂蜜だけを売るより、蜂蜜パイを売った方が、町の人たちも喜ぶと思うんだけどな」 「付加価値によるマーケットの掘り起こし。この子は起業家になれる」 私は特に、冬の喫茶店には行かない。 足元が…

リズムの裏側にリズムがあり、リズムの間に見えないリズムがあった

「神の子どもたちはみな踊る」村上春樹 今日のフレーズ。 「彼は地面を踏み、優雅に腕をまわした。ひとつの動きが次の動きを呼び、更に次の動きへと自律的につながっていった。彼はいくつもの図形を描いた。そこにはパターンがあり、バリエーションがあり、…

たき火

「神の子どもたちはみな踊る」村上春樹 今日のフレーズ。 「気持ちのかたまりとでもいえばいいのだろうか、観念と呼ぶにはあまりにも生々しく、現実的な重みを持つものだった。それは彼女の体のなかをゆっくりと駆け抜け、懐かしいような、胸をしめつけるよ…

私の人生の輝き

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下」村上春樹 今日のフレーズ。 「私の人生の輝きの93%が前半の35年間で使い果たされてしまっていたとしても、それでもかまわない。私はその7%を大事に抱えたままこの世界のなりたち方をどこまでも眺めていき…

入口と出口がついた犬小屋

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下」村上春樹 今日のフレーズ。 「二度と結婚したくないと思う?」 「もうどちらでもいいんだ」 「どちらでも変わりはない。入口と出口がついている犬小屋のようなものさ。どっちから出てどっちから入ってもた…

いんげんの筋をとるときのように

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下」村上春樹 今日のフレーズ。 「そして私の手からグラスをとり、シャツのボタンをいんげんの筋をとるときのようにひとつずつゆっくりと外していった」 ではでは。

大抵のスポーツは身体をいびつにしちゃうんです

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下」村上春樹 今日のフレーズ。 「大抵のスポーツは身体をいびつにしちゃうんです」と店員が教えてくれた。「洋服にとっていちばん良いのは適度な運動と過度な飲食を避けることです」 「世界は様々な法則に満…

背が高くて手先の器用な女の子

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下」村上春樹 今日のフレーズ。 「洋菓子屋の店員はもみの木のように背が高い女の子で、紐の結び方がひどく下手だった。私は背が高くて手先の器用な女の子に一度もめぐりあったことがない」 ではでは。